米大学で行われる“Black Talk”とは
今回は昨年僕が参加した米大学のイベント“Black Talk”をレポートします!
“Black Talk”は黒人男子学生が集まって、それぞれの考えを共有・議論するイベントです。
黒人の学生が何を考え、感じているのかを知るために、誰でも参加可能ということだったので参加してみました!
◎アトランタならではのオフィス
イベントに参加するために、イベントページに書かれた場所に行ってみると
そこは「Office Of Black Student Achievement」と呼ばれるオフィスでした。
そんなオフィスが大学にあること自体が凄く興味深いですし、
キング牧師の歴史地区があるアトランタにある大学ならではのオフィスだなと思いました。
◎場違いの中の安心感
オフィスに着くと、すでにイベントは始まっていて、
30人ぐらいの黒人男子学生が円を描くように座って、司会進行役が全員に自己紹介を振っていました。
そこで思ったことは、受け入れる姿勢。手短な挨拶をしても、自分のことを赤裸々に話しても常に“Welcome, Man" "Good!Good!"という声が周りから聞こえてきて、温かい空気感が部屋全体にありました。
正直、何人かは黒人学生じゃない学生もいるだろうと思ってましたが、自分一人だけアジア人で明らかに場違いでした。
しかし、僕の自己紹介の後に”Thank you for coming, man”と周りの学生に言ってもらえて凄く安心することが出来ました。
◎理想的な父親とは?
全員の自己紹介が終わると、意見交換の時間がスタート。質問に全員が答えて、その答えから議論を進めていきます。
最初の質問は
“理想的な父親に必要なものは?”
僕がすぐに思いついたのは、家族への「愛や思いやり」。
黒人学生で一番投票数が多かった答えは「理解」
その真意は、
「自分の父親が何をするにしても自分を理解してくれなかった。だから自分の子供の気持ちや考えを理解してあげられる父親になりたい。」
この答えに賛同して頷いている学生が多くて、黒人男子学生が家庭環境でよく感じることを少し垣間見ることが出来ました。
それと同時に、僕自身、何をするにしても自分の挑戦を理解してくれた父親から「理解」を当たり前に貰えていたんだなと。改めて痛感させられました。
◎父親は子供に何を教えるべきか?
他にあった質問として、
“父親は子供に何を教えるべきなのか?”
「尊敬」「男性らしさ」「責任」というものが答えに並ぶ中で
「(黒人に不利な)司法制度」というものがありました。
boysbeambitious.hatenablog.com
以前の記事でも取り上げた黒人等の“Color of people”に不利に働いている
アメリカの司法制度を子供に教えるべきだという意見は、
おそらくアメリカの黒人コミュニティだからこそ出てきた意見だと思います。
自分達のことを差別する社会の仕組みを伝えなければならない親の気持ちは想像を絶するものだなと思いました。
◎最も印象に残った黒人学生の答え
イベントの最後にあった質問で
“父親という役割は社会に必要なのか?”がありました。
僕はこの時、必要である。と答えました。
理由は
「父親が子供たちに一番身近な場所で“男性とは”、あるいは“仕事とは”を教える働きがある」と考えたからです。
しかし、全体として同じように、必要である。と答えた学生はたったの3人。
ほとんどが、必要ない。と答えました。
その理由は
「黒人の父親のほとんどが刑務所にいる中で父親の役割はないようなものだろ」というものでした。
この質問を考える時、僕の頭の中には自分の父親や日本社会のことがありました。
黒人学生の頭の中には彼らの父親やアメリカ社会のことがあったと思います。
同じように自分の父親や社会のことを考えているのに、国や人種が違えばこんなにも捉え方が違うのかと驚きましたし、
それが今のアメリカに住む黒人学生が感じていることなんだと知ることが出来ました。
◎まとめ
国が違えば考え方や価値観がこんなにも違うこと。
それをこのイベントを通して、吸収出来たことが凄く価値ある経験でした。
留学だからこそ使える機会をどんどん活かしていきたいですし、今日も刑務所でのボランティアブログラムを行っている団体のイベントに参加するので、またレポートします!それでは!