【社会学コラムNo.5】米警察はあなたが何人かを見ている?
今回は社会学コラム第5弾~警察編~
アメリカのドラマを見ているとカッコ良い存在として登場する警察。
アメリカの警察と言えば、そのイメージからか屈強なイメージがあるのではないでしょうか。
今回はそんな警察のレイシャル・プロファイリングについて見ていきましょう。
◎レイシャル・プロファイリングとは
レイシャル・プロフィリング(Racial Profiling)をご存じでしょうか?
Racial が人種、Profiling が犯人を割り出すことなので、
これは、警察がパトロールをする時に特定の人種の人達だけに目を向けて、運転している車を止め、車両検査を行うことです。
これは捜査の人種の偏りから、人種差別の1つと言われています。
1つ前の記事での刑務所の不均衡な人種の偏りもこれが1つの要因ですね。
boysbeambitious.hatenablog.com
◎黒人は3倍死んでいる?
2014年の7月、黒人のガーナーさんが違法のタバコを買った疑いで警察に逮捕されました。その時警察が暴れてもいない彼の首に手を回し、窒息死をさせて、ガーナーさんは病院に搬送され、息を引き取りました。
ガーナーさんは取り押さえられている間、「息ができない」と主張し続けたにも関わらず、彼の首に回った腕が取り払われることはなかったといいます。
Homicide: Autopsy Says NY Man Died from Police Chokehold
この事件は日本でもテレビで流れ、僕も目にしたのを覚えています。
これ以外にも、ただ駅のホームでサンドイッチを食べているという理由で
黒人の男性が補導されている映像も授業で見ました。
こういった人種による警察の取り締まりは少なからずあって
黒人は白人の3倍警察によって殺されているという調査結果も出ているんです。
黒人は本当にそれだけ罪を犯しているのでしょうか。
◎Racial Profilingは当たるのか?
シカゴの2009年~2013年の実験で警察のRacial Profilingを調査した結果
20万の白人ドライバーの内 車を路肩にストップをされたのは906人(0.45%)
さらに、
その906人の内、237人(26%)が薬物等の罪を犯していました。
一方で
30万の白人ドライバーの内 車を路肩にストップをされたのは6593人(2.2%)
さらに、
その6593人の内、1232人(19%)が薬物等の罪を犯していました。
人数で見ると明らかに黒人の方が多いんですが、割合で見ると白人の方が多いんです。
これは必ずしも、Racial Profilingが犯罪を見つける上で当てはまらないことを示しています。
◎誰の責任なのか?
このRacial Profilingは警察みんながやっているのかと言えば、もちろんそうではありません。
実際、Racial Profilingは警察の中の極わずかな割合の人がやっています。
教育レベルの高い人(大学しかり、警察内での教育)はこのRacial Profilingをする割合が低くなっています。
◎まとめ
今回は社会学コラム第5弾警察編ということで、Racial Profilingを取り上げてみました。いかがでしたでしょうか。
日本に外国人籍の人が増えると日本社会ではどんな風に人種を捉えていくのでしょうか。共生する社会のためには、お互いを認め合う考え方が広がっていってほしいところです。